「あの鳥は北へ向かったか。まずは北へ向かうとするかのう」

「地の果て、海の果て、その向こうの大地まで、逃げ続けてやろうぞ!」


 義経が衣川館を逃げ延びたとする伝説は枚挙に暇がない。義経蝦夷に逃れたとの「北行伝説」が、八戸や三厩、北海道の松前など各所に伝わっている。変わり種としてはモンゴル平原でチンギス・カンに生まれ変わったというものなどがあるが、地の果て、海の果て、その向こうの大地まで、という台詞はその辺りも踏まえた包括的なものであろう。


 なお去年2017年に八戸で発見され、ほうき星宗近と名付けられた三条宗近の銘を持つ短刀が、発見者の推測するようにもし本当に今剣だったら……。ロマンですね。