江水散花雪 2部のアレ

刀ミュ新作公演 江水散花雪、始まりましたね! 初日公演、配信での視聴となりましたが、いやはやミュは本当にえぐい所に切り込んできますよね。いいぞ、もっとやれ。 当然ながら本編についても色々と語りたいことはあるのですが、個人的に一番気になって仕方…

久々の観劇!

運良くご縁があったので本日14日、東京心覚の観劇をしてまいりました! いやあ、ストーリーのあらましを理解してからの二回目は破壊力がヤバいです。 個々の歌の歌詞が染みること染みること。おかげで終始、目が潤みっぱなしでした(´;ω;`) 今作はほんと、二…

~東京心覚~の心覚え

始まりましたね! 刀ミュ新作公演・東京心覚! 舞台初日からライブ配信があるこの有難さよ。コロナが収まってもこの形式は是非とも継続して頂きたいところです。 しかしまあ、ご覧になった皆さん。如何でしたか? 私としては、こうも剛速球を投げてこられる…

がんばれ、刀ミュ!

夜半、俄かに甲高い悲鳴が響き渡る我が家。 すわ何事かとベッドから跳ね起き駆け付けてみれば、顔面蒼白になりながらスマホの画面を見せてくる涙目の妻。 そこに映し出されていたのは……。 ミュージカル『刀剣乱舞』 〜幕末天狼傳〜<br>東京公演中止について重…

幕末天狼傳2020雑感

始まりましたね、幕末天狼傳2020! このコロナ禍で皆さまも大変な思い、苦労、不都合を被っておられるかと存じますが、それが故に試みられた全公演ネット配信。 これについては一人の刀ミュファンとして感謝しかありません。 なにせ熾烈なチケット争奪戦の勝…

歌合乱舞狂乱2019・雑感と解説

お久しぶりになってしまいました。皆さん、歌合乱舞狂乱2019は如何でしたか? まさかこんな僻地に来て下さるような方が未見とは考えにくいですが、この記事はネタバレ全開の内容になっています。全開すぎて千秋楽の配信が始まるまでは下書きを書くことすらし…

歌合のアレ

縦読みで神様の名前になるのは百も承知で、どうにか文として意味を与えられないかと頭を捻ってたら、なんかえらいことに……。 イネイミ ヒタククワサワカ ハケララサクツハ ヤミオミクツヤヒ カカツノヒヅミ ハオチ 去ね忌み 只苦来吾沛か 化け等邏然屈は 病…

『葵咲本紀』雑感

ライビュにて初見の雑感です。 刀ミュ初の「過去作を補完するお話」というのがまず面白いですね。観れば明々白々、『三百年の子守歌』では描ききれなかった空白期間(信康の死~家康の死まで)を埋める作品なわけですが、同時に『つはもの』や『結び音』で小…

二部では椅子が大興奮

観て参りました、結び音4DX上映! いやはや、単に既に発売されているDVD・Blu-rayの映像を映画館で流すだけと言ったらそれまでなんですが、やはり大画面&大音量で鑑賞できるというのは良いものですね。ましてや4DXです。 揺れます。 斬られます。 刺されま…

阿津賀志山異聞 2018 巴里

阿津賀志山異聞2018巴里! ライブビューイングにて鑑賞して参りました。いやはや、旧あつかし、ましてやトライアル公演の時とはまるで、なんというか別次元ですね。 役者陣の上達ぶりは勿論のこと、映像や音響といった演出、舞台セットや衣装などなど全ての…

CD雑感

ついに出ましたね、「つはもの」CD!近ごろ音楽はオンラインのデータ購入で済ますことが多いのですが、久々にCDを発売日に買うということをやりました。それだけ自分にとっては期待値が高かった。そして、その期待に本作は、完璧な形で応えてくれたと感じて…

刀ミュ「つはものどもがゆめのあと」考察&感想

これは作中で頻出される蓮の花の例えが表すように、対をなす光と影、陰と陽、表と裏の織りなす物語。 対になっているものとしては、三日月宗近と小狐丸、今剣と岩融、髭切と膝丸、太平記と義経記、実在と非在など枚挙に暇がないが、これらを通して『正しい歴…

小ネタ集

一記事にまとめるほどではなかった覚書たち。 ●源頼朝の旗挙げの経緯については、劇中の台詞にもある「以仁王の令旨(もちひとおうのりょうじ)」について調べてみることをお勧め。 ●水鳥の羽音で撤退する平家軍:実際には甲斐源氏・安田義定の夜襲(頼朝た…

「かえってきたら カンジンチョウのけいこのつづき しましょうね」

今作の最後を飾る今剣のこの言葉は、自身が成長して帰ってくることの決意を表明するのと同時に、相棒である岩融の成長を確信しているものでもある。 前述したとおり、彼らは勧進帳の記憶を持たない。今回の出陣で目の当たりにこそしたが、彼らが実際に経験し…

修行へ旅立つ今剣

阿津賀志山異聞では、かつての主への思いの深さ故に、うつむき、背を丸め、愛惜に泣き叫び、仲間たちにさえ刃を向けようとした今剣。 その彼が、つはもの~では常に胸を張り、決してうつむくこと無く、涙こそ禁じ得ずとも全てを見届けた。その成長は瞠目に値…

「今日の畑当番は、逃がしませんよ」

「私はあなたのやり方が正しいとは思えない。ですが……間違っているとは思わないことにします」 ラストシーンでの三日月と小狐丸とのやり取り。 結局のところ自らの口では何も語ろうとしなかった三日月への、これは小狐丸なりの思いやりに満ちた最大限の肯定…

「あの鳥は北へ向かったか。まずは北へ向かうとするかのう」

「地の果て、海の果て、その向こうの大地まで、逃げ続けてやろうぞ!」 義経が衣川館を逃げ延びたとする伝説は枚挙に暇がない。義経は蝦夷に逃れたとの「北行伝説」が、八戸や三厩、北海道の松前など各所に伝わっている。変わり種としてはモンゴル平原でチン…

「歴史とは水のようなもの。始めから形など存在しない」

歴史は流動的なものであり、事象の連なりが必ずしも確定されたものではないことが三日月の口から語られる。この「歴史とは何ぞや」という認識の齟齬が、小狐丸、ひいては審神者と三日月宗近との見解の相違となっている。 おそらく審神者や小狐丸の認識は、時…

しくしくくれくれ……

頻く頻く くれくれ頻く頻く くれくれ 仮初めの宴 泡沫の花火生まれては消えゆく春の夢 誰が為の 花の台 頻く頻く くれくれ頻く頻く くれくれ 纏う黒き衣 泡沫の役目満ちては欠けてゆく 玉桂 半坐わかつ 花の台誰が為にそこにある宿世わかつための 花の台 〇…

三日月と泰衡の語らい

全てを打ち明けることで泰衡に「正しい歴史」を歩ませようとする三日月。頼朝に対する洗脳行為などはあくまで最終手段であり、基本的には話して諭すスタンスであることが窺える。「義経殿のこと……くれぐれも」という泰衡の台詞があるため、この時既に三日月…

豹変した頼朝とその真相を探る小狐丸

三日月が陰で何をしているのか。その一端に触れる小狐丸。「このようなこと、許されると思うのか」という台詞から察するに、どうしてこんなことをしたのかが疑問なのであって、どうやってこんなことが出来たのかは問題ではない様子。 つまり人間一人洗脳し操…

安宅の関にて

三日月が岩融に安宅の関のやり取りを見せるのは、前述したとおり、岩融にはその記憶が無いから。 弁慶が諳んじる勧進帳の文言にも、「(数千)蓮華の上に座す」という言葉が確認できる。やはり「一蓮托生」という言葉は、この作品の要諦を成すキーワードなの…

小狐丸の心情

揺るがないのは 我らの使命だから守るべきこと疑うこと無く照らされた道を歩むことに迷いはない此処に在る意味 問うまでもないただひたぶるに 守るべきもの 小狐丸の認識がどういったものかがここで語られる。「清」と「濁」を併せ呑む三日月に対し、ひたす…

髭切に新たに生じた記憶について

頼朝と三日月のやり取りが、記憶として髭切に流れ込んでくる。 実際の刀剣・髭切が新たに経験・観測した事象が、刀剣男士・髭切に記憶としてフィードバックされるこのシーンは、三日月宗近の行動原理を考える上で非常に重要。 刀剣男士として顕現した後でも…

源平合戦

源平合戦のシーンで描かれる、一ノ谷、屋島、壇ノ浦という流れは、義経記(ぎけいき)の記述に準拠している。 義経記における平家追討戦の記述は「御曹司(義経)、寿永三年に上洛して平家を追ひ落し、一谷、八島、壇浦、諸所の忠を致し、先駆け身を砕き、終…

今剣を傷つけぬよう髭切、膝丸に願い出る岩融

自身の存在に疑念を抱き、今剣にはそれを気づかせまいと、髭切、膝丸に働きかける岩融。まるっきり息子を気遣うお父さんである。好き。 あらぬ誤解を受けながらも、それをやんわりふんわりと受け止め、逆に岩融を気遣いさえする兄者。すげー好き。 刀ミュに…

「あの鳥のように飛べたなら」

濁りに染まぬ蓮清らかに咲き誇る 一度(ひとたび)巡れば蓮に心寄せ託されるは生涯の約束 ぽん……ぽん…… ……聞こえるか?花の咲く音 開く音…… この花のように清く咲くその下には濁る泥水この花のように清く在るその裏には…… 美しい旋律。思いがけず差し出され…

新刀剣男士・髭切と膝丸登場

互いを兄と弟と認識し、纏う衣装も白と黒という分かり易い対比になっている二振り。 だが、彼らの場合は対比ではなく後述する「半坐を分かつ」ものとしての意味合いが強いかと思われる。刀剣男士にとって「逸話」や「名前」は自身を定義する上で非常に重要な…

弁慶と牛若丸を演じる岩融と今剣

阿津賀志山異聞から通して互いに強い絆を描かれてきたこの二振りだが、出典として二振りが同時に記述されたものとしては『義経記』がある。 義経記は南北朝時代から室町時代初期に成立したとされる軍記物語で、のちの時代に隆盛する「判官物(源義経を主題と…

小狐丸の舞う小鍛治

『表に彼の名、裏には我が名』彼の名というのはつまり三条宗近の銘である「宗近」だが、これは同じ名をもつ三日月宗近のことでもある。開幕直後にまず、三日月宗近と小狐丸が表裏の存在であることが言明される形となっている。 物語後半での「我らはつくづく…